第31章 reaction
「怖かったよな…
もっと早く来てやれなくて悪い」
「隆のせいじゃない…」
彼が謝ることじゃないし、
むしろ助けに来てくれなかったら今頃……
ギュッと三ツ谷の身体に縋り付く。
それに応じるように、三ツ谷の腕の力も強まった。
「ラン…立てるか?」
「う、ん………っあ……」
立ち上がろうとしてもなかなか立てなかった。
こんな私、カッコ悪すぎる…
立つんだ私、頑張れ、立つんだ。
七転び八起きだ、ラン
場地がいつも言ってくれていた言葉を、
心の中で自分に言い聞かせた。
「ほら、俺の背に乗って。おぶってくから」
三ツ谷は、ランがなんとか立ち上がったが、歩けそうにないのを悟ってそう言った。
しかし、ランはニッコリ笑みを浮かべた。
「大丈夫だよ、隆。もう大丈夫だから」
「っ…」
三ツ谷の胸が締め付けられる。
ここまで無理やり作ったような
苦しそうなランの笑みは初めて見た。
「なぁ、ラン…
無理すんな。泣いていいんだぞ。」
「え〜、何言ってんの?泣かないよ〜私は!
へーきだから!本当にありがとうね隆。」
「・・・」
そんなに震えてるくせに…
こんな時でも強がってんじゃねーよ。