第31章 reaction
「んんーーーーっ!!!」
ガブッ!!
「っ!!」
突然背後から襲われ、
口を塞がれたため、ランは勢いよく齧り付いた。
しかし、ドカッと殴られ、
暗い路地へと引きずり込まれた。
「ぃぁあああっ…!!んぐっ」
相手の顔はフードとマスクで見えない。
覆いかぶさって押さえつけられ、
服とスカートを破るように乱暴に中に手を入れられた。
その瞬間、ビクッと体が震え上がり
背筋が凍った。
普段だったら簡単にやっつけられるはずなのに、
鳥肌が立って身動きが上手くいかなくなった。
男の気持ち悪い息遣い。
気持ち悪い手つきで太ももを這いずり回る感触。
なにこれ…やだ…
その時、ドラケンがいつか言っていた言葉が
脳裏に反芻した。
"お前は自分が強ぇから、男には何もされねぇって思ってんだろうけど、実際いざこんなふうになった時、さっきみてぇに体震えて無抵抗になっちまうんだよ。"
"お前は女なんだよ、それも、イイオンナだ。
だから、いつどこでどういうふうに暴力以外のことをされるか分かんねぇ。
多分俺だけじゃなく、東マンの誰もがその心配はしてると思うぞ。"
やだ…
怖い…
どうしよう…
力が入んないよ…
怖いよ…
誰か助けて…
いや、違う。
そんなの私じゃない。
誰かに助けを求めるなんて
私は、
誰よりも強くなると
とっくの昔に誓ったんだから!!!
「ーーっっ!!!」
どがっ!!
ランはなんとか渾身の力を振り絞り、
勢いよく男の腹を蹴り飛ばした。