第31章 reaction
「いい。一人で帰る。
俺に気ぃ遣わず行っていーよ、三ツ谷んとこ。
はじめからその予定だっただろ?」
「っえ、ちょちょっと万次郎?
怒ってる…?」
「別にー。早く行かねーと暗くなっちまうぞ?
最近、陽が沈むの早ぇんだから」
くるりと背を向けて歩き出す万次郎を、
ランはムッとしながら追い掛ける。
「もーなんなの?せっかく人が一緒に帰ろうって誘ってんのに!っあ!それか一緒に隆の中学行く?万次郎も手芸部見学していきなよ!けっこー面白いよ!」
「はぁ?!ばーかふざけんな!
俺そんな暇じゃねーんだよ!」
「いっつも家でゲームしてる人がよくゆーよ」
「ゲームで忙しーの!!
しかも今日バイクで来てるし」
「えぇっ?!」
万次郎はスタスタと学校の裏庭に歩いていくと、
茂みに隠して止めてあったバイクに跨った。
「ちょっ!マジ?!ずるーい!
あ!じゃあ乗せてってよ〜」
「やーだ。」
「おいマイキー」
突然の声に2人が振り向くと、
ドラケンとエマが立っていた。
どうやらドラケンもバイクを隠していたらしく、
エマを乗せて帰るようだ。
「乗せてってやれよ。もうけっこー暗くなってきてるし、いくらランでも危ねぇじゃん」
「そうよマイキー!ランだって女の子なんだから襲われでもしたら大変〜!」
ランは2人の言葉に苦笑いした。
「いやいや、私がそんなんありえないけどね?」
自分が強いという自覚はあるから、そういうことじゃなくて、ただ単純に万次郎のそばにいたいだけで…