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progress ~東リべ卍~R18~

第31章 reaction




「万次郎〜
今日は珍しく放課後まで学校いたんだね〜
一緒に帰ろ〜」



放課後、後ろから追いかけてきたランに万次郎が振り向き、わざとらしく面倒くさそうな顔をする。


「え〜」


「え〜ってなによ!
どーせ堅はエマと帰るから、万次郎一人ぼっちでしょ?だから一緒に帰ってあげるって言ってんの」


「んだよそれ。三ツ谷んとこ行かなくていーのかよ」


「行こうと思ってたけど、万次郎が一人でいるから寂しいかな〜って!」


「あ?」


なんとなく、万次郎はイラついてしまった。
胸にトゲが刺さるような、嫌な感じの痛みまで感じた。

最近、妙な孤独感を感じることが多い。



……どーせ俺なんか独りぼっちだよ。
誰にも必要となんかされてねーよな。

ランにもケンチンにも、
心の底から寄り添える相手がいるんだもん。

俺なんて邪魔者。



「別に俺、寂しくねーから」


「っあ、ごめんごめん、冗談で言っただけで別にそんな不貞腐れなくても」


「マジクソ腹たってきたわ」


「えっ」

どことなく、最近、万次郎の態度が変わったような気はしていた。
今までは無邪気で明るい万次郎だったはずなのに
どこか暗い闇が垣間見えるような気がしていた。

だからランは、まずいことを言ってしまったと思い、慌てて謝った。


「ごめんて。どら焼き奢るからさ!ね?!
ほら、あの万次郎の好きな店の」



「・・・」


そんな困ったような笑みで俺を見んなよ…


俺がどんだけお前に対して感情押し殺してきたか知らねーくせに。

考えたこともねぇだろ。


どいつもこいつも腹立つ…

だいたい毎日のように三ツ谷んとこ行ってんだから、とっとと行けよ。

同情みたいなことされるとプライド傷付くんだよ。

俺が酷く惨めな奴に思えて余計に辛くなる。
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