第31章 reaction
「うーん…俺、何すればいいのかわかった気がする」
「え?」
「マイキーくんをぶっ飛ばす」
千冬が拳を突き出してニヤリと笑った。
タケミチは唖然とする。
「は?何言ってんだお前?殺されるぞ!」
「うん、殺されたんだろ俺?」
「いや…そういうことじゃなくて…」
「だってムカつくじゃん。
マイキーくんは強すぎるから、本気でぶつかってくれるやつがいなかったんだよ。そして本気でぶつかれるやつはきっと、東マンしかいなくね?」
千冬の言葉に、
ハッと何かを気付かされた気がした。
千冬…
やっぱり俺は…
お前のことも、他の誰のことも死なせたくない。
「あ…雨止んだな」
「ありがとな千冬…なんか俺、吹っ切れた」
マイキーくんは強ぇから
誰も本気でぶつからない…か。
それはつまり…
誰もマイキーくんの気持ちを理解できてなかったってこと。
「俺、もう何もできないって思い込んでた。
マイキーくんは別次元の人で、俺とは違うって…」
「ハハッ、わかる」
「でもそうじゃないよな。あの人は仲間なんだ。」
「うん」
「マイキーくん言ってた。俺の人生は苦しみだけだったって。…苦しんでんだったら全力で支えて、間違えてんなら本気でぶつかる…俺は、マイキーくんとそういう仲でいたい」
「うん」
澄み切ってきた空から光が差し込んできていた。
「決めたよ、千冬」
そしてタケミチの目にもようやく光が宿る。
「俺はもう、東マンのトップになるまで未来には戻らねぇ」
マイキーくん…
ランさん…
みんな……
「これが俺の最後のリベンジだ」
「ついてくぜ。相棒。」
もう失敗は許されない。
マイキーくんも三ツ谷くんもランさんも
千冬も八戒も…みんなを…東マンのみんなを…
ぜってー死なせない。