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progress ~東リべ卍~R18~

第29章 rapture




「万次郎…ずいぶん捜したよ。」


ようやく声を発したランに、
タケミチはゾクッと鳥肌が立った。

本当にランの声かと思うくらいにそれは、
冷たく無機質で抑揚のないものだった。


「アタシから逃げられると思った?」


なにを…言ってるんだランさんは?
何がどうなってるんだ?!
なんでマイキーくんを…っ
一番ありえない人が…!


「ラン…」


「大丈夫。アタシも一緒に逝ってあげるから。
ずっと、どこまでも一緒って…約束したじゃん」


「・・・」


万次郎は黙ったまま、悲しげに笑っている。
タケミチはそんな二人の間で呼吸が苦しくなっていた。

一体何を言ってるんだこの人たちは?!



「やっと…終わるんだね…
オレの人生は苦しみだけだった…」


万次郎が涙を流しながら、どこかホッとしたようにそう言った。


「そんなこと言わないでマイキーくんっ…!
俺、変えれるから!俺過去に戻れるんだ!やり直せるんだ!こんな未来になんないように俺頑張るから!ぜってーぜってー諦めないから!!だからっ!」

タケミチは万次郎を強く抱き締めながら泣き叫んだ。

「だから!そんな悲しいこと言わないでっ…!」


「ふふ…ありがとうタケミっち…」


「え…?」


「オレを慰めてくれるんだな…
嘘でも嬉しいよ」


万次郎の体が徐々に冷たくなっていくのを感じた。
この状況に思考が追いつかない。


「タケミっち…」


「はい…」


「お前の手……あったかい…」


万次郎が涙を流したまま少し微笑み、
完全に動かなくなった。


「嘘だよ…返事してよ…ね、ねえ…マイキーくん…!」


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