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progress ~東リべ卍~R18~

第29章 rapture



「私が決めたことでもあんだよ、これは。
つべこべ言ってんじゃねぇよ。」


静かな声色でそう言ったランの眼光は、月に照らされて鋭く光っていた。

半間はドクッと威圧されたように動きを止めた。


ランは後日、タケミチから聞いていた。
未来で稀咲に殺された千冬や殺されかけたタケミチのこと、自分が聖夜に死ぬはずだったことや、一虎に会ったこと。
そして万次郎が闇に堕ち、ドラケンや三ツ谷を初めとした旧東マンメンバーの粛清を始めていたこと…。


「こんなカス共に耳を傾けるなマイキー!
不良の時代を創るんだろ?!」


稀咲の本気の焦りは
誰の目にも明らかだった。


「これから東マンはデカくなる!!
誰もがひれ伏す組織になるんだ!!
デカくなれば必ず闇は生まれる!!
俺はその闇を全て引き受けてやる!!
アンタを輝かせるために!!」


月は1人じゃ輝けない…!


「アンタには俺が必要なんだよマイキー!
俺はアンタの落とした影だ。
お互いが必要なんだ。
だから考え直せマイキー!」


万次郎は無の表情で黙ったまま
必死な稀咲を見つめている。


「綺麗事だけじゃ夢は叶わねぇんだよ!!」



「そんなことないよ…」


静かに口を開いたのはランだった。


「万次郎は、私の夢を綺麗に叶えてくれるよ」


「?!いや違う!!そんな甘い考えで何も生まれねぇんだよ!もう綺麗事はやめろ!東マンには俺が必要なんだよ!」


「お別れだ稀咲。その決めつけが夢を狂わせる」


「ま、マイキーぃぃぃぃぃ!!!」


万次郎は背を向けて行ってしまった。



新年一発目の集会のこの日、
稀咲は東マンから完全に除名された。
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