第29章 rapture
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タケミチは、今度こそ全ての問題をクリアしたと確信し、最後のつもりで東マンの皆と写真を撮り、意を決して12年後の現代に戻ってきた。
「あれ?…どこだここ…?」
「花垣くん。お久しぶりです。」
キョロキョロしていると、
1人の綺麗な女性に話しかけられた。
……誰??
「この度は、お忙しい中足をお運びいただき恐れ入ります」
深深と頭を下げられ、案内された方へと着いていく。
え?
お葬式??
確かに今の俺、喪服着てる…
でも……誰のお葬式?
さっきの子…受付ってことは亡くなった親族か。
「この度は、兄のっ…兄の…っ」
「しっかりして、マナ」
「ごめん、ルナ…」
兄…?
ルナ?マナ?
ちょっと待て。
この子たち…なんか見覚えが…
え……
うそだ……
そんな!!!!
視界に映ってきた遺影の人物に驚愕する。
「三ツ谷くん…!!」
三ツ谷くんが…死んでる?!
その遺影は、あの頃と変わらない穏やかな笑みを浮かべている三ツ谷隆だった。
変わっているのは紳士的な黒髪と、あの頃の眉の剃り込みがないこと。
恐る恐る近づくと、
真っ白い顔をして長い睫毛を閉じている三ツ谷が横たわっていた。
「っー!!」
嘘だ…!嘘だ…!
三ツ谷くんが死んでるなんて!
そんなわけねぇ!!
しかもっ!なんでランさんが来てないんだ?!