第29章 rapture
更に前に出てきたのは半間修二だった。
「オイオイ待てよマイキーぃ。
稀咲がクビなら当然俺も東マンを出る。
つまりよぉ、東マン総勢450人のうち、元メビウス50人、元バルハラ300人が全て抜ける!
そしたら東マンは100人に萎んじまうんだぜ?
それでもいいのかぁ?」
「構わねぇ。そもそも東マンはデカくなりすぎた。」
真顔で言い放った万次郎に、稀咲が舌打ちする。
「デカくなりすぎた?何言ってんだよマイキー
それが東マンの目的だろ?」
「なら、聖夜決戦をけしかけたのも東マンをデカくするためか?タケミっちたちをけしかけ、大寿を殺させるために柚葉にナイフを渡した。ランをその場に向かわせわざと危険な目に合わせようとした。全部聞いたよ。」
万次郎の表情が険しくなっていく。
ランは威圧的な目で稀咲を睨みながらも、呆れたように階段に座りこんでしまった。
「違う!!マイキーは弱ってた!!
大寿は東マンを脅かす存在だ!!
俺はアンタのために動いたんだ!!」
「おい!誰が前に出ていいっつったよ?」
立ちはだかったドラケンを、
横から半間が殴ろうとした。
「稀咲の話を聞けやコラ」
「っ!…てめぇ…」
「おい月乃!てめぇはどう思ってやがんだよ?!黙ってねぇでなんとか言ったらどうなんだコラ!」
ランはついに立ち上がり、ゆっくりと近づくと、半間のその腕をドラケンから剥がした。