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progress ~東リべ卍~R18~

第6章 recall




「万次郎」


私は通夜の数時間前、
万次郎の部屋に行った。

喪服に身を包んだ万次郎は
完全なる無の表情で佇んでいた。


「なに?」


声色だけはいつも通りだ。

でも私にはわかる。

作り笑いにすらなってないって。



私はゆっくりと万次郎を抱き締めた。

ハッとしたように息を飲む音が聞こえた。


「泣いてよ万次郎…我慢しないでよ…」


「………。」


「私の前でだけはさ、無理しないで?お願い…」


お願いだから…
心に溜め込まないで…
いつかきっと、壊れちゃうんだよ。


「お願い万次郎…私はどんな万次郎も受け入れるよ」


徐々に、万次郎の腕が背中に回り、ギュッと力が籠った。
だから私もキツく抱き締め返した。



「お前は…いなくならねぇ、よな…」


「うん…うん…いなくならないよ」


力を込めて、ギュッと目を瞑る。
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