第28章 recollect*
三ツ谷の部屋の一緒の布団で一緒に抱き合って眠った。
お互いがお互いに甘えたい夜だった。
先に目覚めたのはランだった。
「あ…れ…?」
自分ちの天井じゃない。
あっ、そうか!そういえば私って…
慌てて横を向くと、
三ツ谷の寝顔がかなり近くにあってビクッとする。
「…隆……傷、痛そう…」
顔の傷とテープに手が触れないように
軽く口付けをした。
そういえば…
寝顔を見たのって初めてかも…。
「ふふ…っ…なんか可愛いなぁ…」
つい顔を近づけて
睫毛をいじったり髪を撫でたりしてしまった。
そのせいか、「ん…」と小さく呻いた三ツ谷の瞳がうっすらと開いた。
「…ん……なん…で… ランがいんの…」
どうやら寝惚けているようだ。
「これ……ゆ…め……か?」
「ふふっ…そうだよ、夢だよ」
ランが笑いを堪えながらイタズラっぽく言うと、三ツ谷がまだ寝ぼけ眼のままうっすら笑った。
「そっか…さいっこうだな……」
「っひぁ…ッ?!」
三ツ谷が突然ぐるりと反転して
ランに覆いかぶさった。
「んんっ!…っぁん…!」
手首を押さえつけられて瞬時に唇を奪われた。
それは初めから、貪るような激しいキスだった。
「っは…マジラッキーだな…」
まだ夢の中だと思っているらしい三ツ谷のキスは何度も降ってくる。