第27章 reflex
「何言ってるの?私たち、ずっと親友だよ?!
何があっても!!」
強く抱きしめるランの腕の中から
柚葉の嗚咽が漏れた。
"柚葉…独りじゃないね"
そう言って抱きしめてくれる
死んだ母親の温もりを感じた。
凄まじい戦闘の中、
全員血塗れで限界をとうに超えているのは目に見えて明らかだった。
徐々に皆、膝をつき始めた。
こうなったらもう…
いくらなんでも私が行かなくてはならない。
ランはついに拳を握り締めた。
そもそも目の前で1番大好きな人を痛めつけられて、更に大切な仲間たち、そして親友が惨い目に遭って、
ランの怒りは最高潮に達していた。
正直今にも気が狂いそうだ。
「待っててね、柚葉。
ここで大人しく見てて。」
「っ!ダメだよランっ」
「おい大寿!!!
次は私が相手だ!!!」
「あ"?月乃…
ならてめぇに最後の選択肢をやる。」
僅かに息を切らしながら、
大寿がニィと歯を見せて笑った。
「黒龍に来い。さもなくば死ね。
さぁどっちにする?」
私は……
「どっちも選ばない。」
てゆーか…
「死ぬのはてめぇだ!!!」
ピキリと青筋を立てたランから
思い切り蹴りが飛ぶ。
「っぐ…っ…本気で死にてぇみてぇだな…」
ガッ!!
パシっ!!
圧倒的な体躯の差…
しかしランは1ミリも怯まない
どころか、相当キレていた。
首を押さえつけられる寸前で
俊敏にそれを避けて背後にまわり、思い切り大寿の背中を強打した。