第27章 reflex
ランは見たことないほど真剣な2人の気迫に押し黙ってしまった。
そんなに行かせたくないの…?
なんなんだろう…。
でも確かに…
こんなボロボロの皆をここに残していくのもダメだ…
どうしたらいいの?
「そもそも逃げる気はねぇ。
黒龍を潰さねぇと未来は変わらねぇ!」
そう声に出したのはタケミチだった。
千冬「そうだなタケミっち!同感だ!」
三ツ谷「こりゃ死ぬな…」
柚葉「お前ら何笑ってんだよ?!
冗談じゃねぇんだぞ?!本当に死ぬかもしれねぇんだぞ?!」
必死で叫ぶ柚葉に、三ツ谷は近付いた。
「ごめんな」
「え?」
「その期待が人を苦しめることもある…
お前そう言ったよな。
…俺の期待が八戒を苦しめた。
兄貴失格だな…。」
「……三ツ谷…」
「お前は1人で八戒を守ってきたんだな、柚葉…
マジ尊敬する。」
「っ…」
柚葉の目から涙が零れ落ちた。
そんな柚葉の頭にポンと手を置いて三ツ谷は笑った。
「今度は俺らの番だ。」
「柚葉のことは、私が守る」
そう言ってニッコリ笑って柚葉の手を握ったのはランだった。
「八戒のことは、隆たちが守ってくれるよ」
「… ランっ……三ツ谷…っ…」
ありがとう…
そう言って涙を流す柚葉をランは抱きしめて背中を摩った。
「てゆうか…久しぶりだよね柚葉。」
「うん…っ…アタシ… ランにはもう顔向けできないって思ってて…っ…」
そのとき、ランがクスリと笑って
抱きしめる腕を強めた。