第6章 recall
パトカーの音がしてきた。
「ヤベエ!サツだ!逃げるぞ一虎!!」
「全部…マイキーのせいだ…だから…」
「……?…一虎?」
「マイキーを…殺さないと…」
「?!」
そこに、かつての一虎の面影はなかった。
ゾクッと鳥肌が立つくらいの奇妙な殺気を纏い、動かず、明らかに正気を失っていた。
ガバッ
場地は、涙を流して一虎を抱き締めた。
「そんな悲しいこと言うなよ…
この先どんな地獄が待ってても、
俺は最後まで一緒だから!!」
そして…
2人はたちまち駆けつけてきた警察に取り押さえられた。
<通報のあった店で不法侵入の少年2人逮捕!!
心肺停止の1名を救急搬送!!
店主の佐野真一郎さんと思われます!>
なんで…なんでこんなことに…
そうだ…これはきっと悪い夢だ…
「場地!!!」
パトカーに乗る寸前に聞こえた声に顔を上げると、目を丸くした万次郎とランが立っていた。