第6章 recall
「真一郎くん!!真一郎くん!!」
場地が泣き叫ぶように呼びかけるも真一郎は微動だにしない。
「マイキーの……兄…貴…?」
「どうしよう…真一郎くん…息してねぇよ…」
「嘘…だろ?この人が…マイキーの兄貴…?」
「俺らが盗もうとしたバイクは…マイキーの兄貴のバブだったんだ……どうしよう一虎…マジ息してねぇよ…真一郎くん…どうしよう…」
「…俺じゃねぇ…俺は…殺してねぇ…」
「そうだ…っ…救急車!」
「マイキーの兄貴を俺が…俺が殺すわけねぇ…」
「救急車呼んで逃げよう!一虎!」
「マイキーのためにやったのに…なん…で…」
一虎は震えながらブツブツ何かを言っている。
「おいっ、一虎!」
正気を失っているように見えた。