第27章 reflex
そんなことを逡巡しながら手首のバングルを撫でていると、突然ケータイが鳴った。
ルナマナを起こさないように急いで出る。
すると相手はなんと稀咲鉄太だった。
その内容に戦慄して
体中が震えた。
宇田川キリスト教会で、
八戒、柚葉、大寿の抗争に花垣武道が巻き込まれているかもしれないなどという内容だった。
«一応、ランさんには知らせといた方がいいかと思いまして»
「教えてくれてありがとう!!」
そう言って電話を切り、
まだ三ツ谷に貰ったワンピース姿のままだったのですぐに着替えた。
タケミチがいるってことは千冬もいるかもしれない。
八戒がいるってことは…隆がいる!!
柴家の抗争…八戒、柚葉、大寿……
一体何が?!
けれど、まずいことになっていることは確か!
絶対に危険!!
わざわざそれを稀咲が知らせてくれたってことは、私が動かないと!
みんなを助けに行かないと!!
ランは急いで家を出ようとした。
その瞬間…
"25日のクリスマスの日は
絶対にどこにも行かないでください"
"約束とか予定とかいろいろあるとは思うんすけど…とにかく次の日になるまで一定の場所から出ないでくれればいいっす"
"夜から深夜まででいいっす。絶対にお願いします"
そう強く言われて頭を下げてきたタケミチと千冬を思い出した。
未来が関係してるのだろうということはわかる。
でもそれならば、逆にそれを自分に知らせてくれたなら、知っている自分は今、何かできるはず!!
ランは雪の降る中、
迷わずブラバを走らせた。