第27章 reflex
1ページだけと決めていたのに、
ついもう1ページ、もう1ページ…と捲ってしまった。
マーメイドドレスやミニ丈のドレスなど本当に様々なものが細かく丁寧に描かれていた。
とてもカラフルなドレスもあれば、
シックな色合いのものもあって、
さすが三ツ谷の妹ルナマナも凄いと思えてしまった。
「はぁっ…こ、ここまでにしとこ!
心臓がもたないっ!すごすぎて…」
これを描いている時間は、
私の事だけをひたすら考えていてくれたのかな。
そう思うと、胸がいっぱいになって
なんだか目頭まで熱くなってしまった。
もう1つ、「casualline」とタイトルに書かれているスケッチブックも見つけ、おそらくワンピースなどの普段着のファッションデザインが自分のために描かれているのだろうとわかったが、見ないでおくことにした。
「これからの楽しみにしよう。
ふふっ…あー隆まだかなぁ?」
三ツ谷が出ていってから、約1時間は経った。
そういえば最近、八戒はもちろん、
柚葉からも連絡がない。
手術の心配をしてくれていて、
無事終了したと伝えてからは返信がない。
あの事件以降会ってもない。
勝手に家に行く訳にも行かないから
どうしようもなくて、
2人とも元気にしているか不安ではあった。
大丈夫かな…
あの兄貴にまた酷いことされてなきゃいいけど…
でも隆が話をつけてくれたってことだし…
大丈夫……と思いたい。