第27章 reflex
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「あーやっぱ可愛いなぁ〜」
お絵描き中に、ついに寝てしまったルナマナに布団をかけながらランはこっそり写メを撮る。
「なんだかいいよなぁ〜。
隆がお兄ちゃんなんてさ…。
私もあんなお兄ちゃんの妹に生まれたかったなぁ」
あっでもそれだと
恋人にはなれないよね。
けどー!!
隆の妹も捨てがたいよ?!うんうん!
そんなことをなぜだか真剣に考えながら、
パラパラとお絵描き張を捲ってみた。
「ふふ……」
懐かしいなぁ…
堅の絵だ!
あの時は、まだ隆とめちゃめちゃ気まずかったんだったよね。
あの時教えた EMMA という文字が、
ぎこちなく練習されているのを見て思わず笑みが零れた。
エマと堅はいつくっついてくれるんだろう。
ILoveYou と書いたページに
TAKASHI と書いた自分の文字と、
三ツ谷が書いた自分の名前が目に入った。
これを見つけた時、すごく驚いたけど
すごく嬉しかったな。
別のページには、
三ツ谷が描いたドレス姿のお姫様の絵。
これはランちゃんだよ!
とルナマナが教えてくれたことを思い出す。
"もっともっといーっぱい色塗りしたんだけどね、お兄ちゃんが破いてほとんど持ってっちゃったのー!酷いよね!"
"せっかくいろんなラン姫あったのに〜!お兄ちゃんどこ隠しちゃったんだろー"
「・・・見たいな。」
私は知ってる。
きっとこのスケッチブック…
あのとき隆が見せてくれなかったやつ…。