第27章 reflex
稀咲が…
柚葉をけしかけた!?
もしかして…
元の歴史でも八戒は大寿を殺してない?!
おかしいと思ってたんだ!
俺は何もしてないのに八戒は大寿を殺し損ねた!
つまり元の歴史でも八戒は大寿を
殺せてなかった…!!
元の歴史でも大寿を殺したのは
柚葉だったんだ!!
やべぇ…止められなかった…!
無防備なところを刺された大寿の傷は
致命傷だ!!
「クソっ…しくじったな、柚葉。
花垣が柚葉に気づいて叫んでくれたおかげで一瞬早く気付けた。花垣を憎め。」
傷が浅い…?!
てことは!俺が助けた??
嘘?!
じゃあこれで八戒が稀咲に操られる未来は
回避できたってことか…?!
「悲しいな、八戒、柚葉…
お前らは血の繋がった兄を殺そうとした。
お前らのために骨身を削るファミリーを!」
「アタシたちのため?違うね。
兄貴はいつも自分だけだ。
アタシたちのことなんてどうでもいい。
家族という言葉でアタシたち姉弟を
ずっと利用してきた。
…アンタは悪魔だ。」
パンっ!!ガンッ!!
「柚葉!!!」
「ひでぇっ!妹相手に…」
本気で打ち抜きやがった…!!
「主よ……
なぜ神は私にばかり試練を…?
なぜ私は、愛する妹を
殺めなければならないのですか…?」
怒りとも哀しみともとれない
涙を流しながら、柚葉を簡単に殴り飛ばしていく。
「やめろ大寿!!」
タケミチは大寿の前に両手を広げて立ちはだかった。