第27章 reflex
「おい八戒!!
柚葉はそれでいいのかよ?!
柚葉はてめぇが人殺しになっても悲しまねぇんだな?!」
「タケミっち…」
八戒の表情がようやく変わった。
その時…
ガチャ
開いた扉から入ってきたのは
なんと大寿だった。
「てめぇらここで何してんだぁ!?」
なんで大寿が?!?!
稀咲たちは?!
大寿がここへ入ってくんのを止められなかったのか?!
それともまさか…
裏切られた?!
タケミチが懸命に思考を巡らせた瞬間、
ついに八戒がナイフを取り出して走り出した。
「ああああああああ!!!!」
「待て八戒!!」
カツンっー…
ナイフはいとも簡単に避けられ
大寿によって八戒は片手で首を締められた。
「辛ぇなぁ、八戒。
また俺の期待を裏切んのかよ。
本気なら叫ぶな。静かに後ろから刺せ。」
そんな中、タケミチの呼吸が荒くなる。
大寿が来たってことは
稀咲に裏切られたんだ…!!
けど…結果、兄殺し止められちゃったぞ?!
これってミッション成功?
いや…今度は八戒がピンチだ!!
「やめろ!!!」
どうする?!
俺に大寿を止められるのか?!
でも俺がなんとかしねぇと!!
「…花垣武道ぃー
柴家の問題に口出すのはこれで2度目だぞぉ?」
ドンと目の前に迫ってきた大寿の圧倒的な体躯に、体が硬直して動かなくなってしまった。