第27章 reflex
礼拝堂の中、
黒龍の特攻服を着た八戒に、
タケミチは声を張り上げる。
「八戒!お前を止めに来た!」
八戒がここに居るってことは
稀咲の情報は正しかったってことだ。
稀咲の言う通り、大寿もこの教会に
もう近付いているはず…
でも外で、稀咲、半間、千冬が
大寿を足止めしてくれる。
その間に俺が八戒を説得する。
「タケミっち。俺がお前にあの話をしたのは、止めてほしかったわけじゃねぇ。決意のためだ!邪魔するならてめぇも殺すぞ?!」
「嘘だね。」
「あ?」
「俺が悩みを人に話すときは、決断できねぇ時だ。
八戒…お前の気持ちはわかるよ。
大寿の圧政で他に道がねぇって。殺す以外に道がねぇって。でも殺すって選択は…守るには繋がらねぇぞ?
姉ちゃんを守りてぇんだろ!八戒!」
「てめぇに何がわかる!!
メシがまずければ殴られた!
挨拶がなければ1日正座で過ごした!
兄より先に起きてなきゃ血ぃ吐くまで蹴っ飛ばされ、機嫌が悪ぃ日は目が合うだけでぶっ飛ばされた。
それが柴家だ!
家族の問題に口出すんじゃねぇ!!」
「俺は昨日…ヒナと別れた。
ヒナを…守るために別れた。
俺は弱いし、根性無しだし、どうしようもねぇバカだ。こんな俺を…好きでいてくれたアイツを守るためなら俺はなんでもする!
でも!どんなに敵を恨んでも人殺しはしねぇ!
他の道がどんなに苦しくても、ヒナが悲しむような真似は絶対しねぇ!!」
タケミチも一切怯むことなく言い返した。