第26章 reindeer
「じゃー次、俺の番な。」
三ツ谷は部屋から大きめの紙袋を抱えて戻ってきた。
「メリークリスマス。はい開けて。」
「わーい。なんだろう…」
ドキドキしながら中身を取り出す。
えっ…これって…
ワンピースが2つも入っていた。
「そっちは秋冬仕様。こっちは春夏仕様。」
「すごいっ!!可愛いーっ!!」
「作るって約束してただろ?
俺がランに作る最初の服だから、ついいろいろ拘ってたら遅くなっちまって。カラーも結構迷ったんだけど、」
ガバッ!!
感極まって
いてもたってもいられなくなり
思い切り抱きついてしまった。
「ありがとう隆!!すっっごい嬉しい!」
「っ…はは…じゃーさっそく着て見せてよ」
「えっ、今?」
「うん、お願い。」
フッと笑みを浮かべた三ツ谷のその表情が
あまりにも艶っぽく見えてドキリとなった。
「じゃ、じゃあちょっと待っててね」
三ツ谷の部屋で着替えてから
恐る恐る目の前に登場する。
「わーっ!ランちゃんお姫様みたい〜」
「可愛い〜っ!」
「うんうん…サイズもピッタリだな。
よかった。」
(やべぇ…我ながら超うまくできてんじゃん。
すっっげぇ可愛い…。
時間かけただけのことはあるな…)
3人の反応にランは嬉しさと羞恥の入り交じった表情で笑った。
春夏仕様のそれは、ふわっとした白花柄レースに、桃色のレースがウエストと袖にふわりとあしらわれている膝下までのマキシワンピース。
ヨーロピアンなお姫様のような感じのそれは、もちろんランの着たことのない、まさに乙女チックな服だ。