第26章 reindeer
「隆にもちゃあんとクリスマスプレゼントあるの!
まずはこれっ!」
紙袋の中からランが取り出したのは
手作りのコインケースだった。
「隆みたいにうまくは作れなかったと思うけど…手芸部の安田さんに習って頑張ってみたんだよね」
「え…すげぇよ。よくできてる…」
きちんと刺繍もされているし、
色合いなども自分のファッションに合わせて作られているようだ。
三ツ谷がそれを表裏まじまじと凝視していると、
ランは恥ずかしそうにバッと三ツ谷の手からそれを取り、紙袋に戻した。
「そっ、そんなに見ないでよ!
隆みたいに完璧じゃないんだから!」
「・・・(くれたくせに何言ってんだこいつ…)」
三ツ谷が苦笑いしていると、
ランは「次はコレッ!」と言って
別のものを紙袋から出してきた。
「これはね〜上手くできたと思うんだァ。」
「ん?ストラップ?」
「うん!私とおそろい!」
ニッと笑って携帯を見せてきた。
織り糸とビーズでイニシャルも刺繍されている。
「へぇ。ありが」
「それからコレッ!」
「えっ?!まだあるのか?!」
次に出してきたのは太めの皮に金具とビーズが埋め込まれていて、シルバークロスがついているバングルだった。
「これもね、おそろいなんだけど…
隆のそのピアスに合うように作ったんだ。
隆はオシャレだからね〜いろいろ悩んだんだけど」
「……こんなにいいのか…?」
まさにどれも自分好みすぎて
うまい言葉が見つからない。
こんなにもランは自分のことを見ていてくれていたのかと少し照れ臭くなった。