第26章 reindeer
「あれ?ルナマナちゃんはー?」
「今年はランが来るからって、今日朝から一日中はしゃぎまくってて今爆睡中だよ、ったく…。」
その言葉に、ランはキュン死寸前だった。
「ヤバいっ…可愛すぎるぅぅう!!
どうしよう!!こんなことならもっとたくさんいろいろ作ってくるんだったよー!!」
「いやいや充分だよ!こんだけあれば!
とりあえず起こしてくるな。」
三ツ谷の部屋は、カーテンで仕切った同じ空間にルナマナの部屋がある。
けれど、気が付くといつも三ツ谷の布団に入っているというからもう愛らしすぎてどうにかなってしまいそうだとランは感じていた。
三ツ谷は幼い頃からそれなりに大変だったのだろうが、ランからしてみると、妹という存在そのものが羨ましくてしょうがない。
「ちょっと待って待って!
私も起こしたい」
「へ?」
「わぁー。相変わらず可愛い寝顔♡
写メ撮ろ〜っと♡」
「はぁ?」
パシャパシャ
「ふふっ。よしと。」
なんとランは、ルナマナの寝ている布団にするりと入り込んで目を閉じてしまった。
「はははっ、あったか〜い。
癒されるー♡」
「……お前…何がしてぇんだ…」
三ツ谷は呆れ顔になりつつも、
その光景があまりにも癒しすぎて
気が付くと自分の携帯でパシャパシャ写メを撮りまくっていた。
「やば…これ待ち受けにしよ…。」
こっそり待ち受けに設定する。
「わぁあああ!!すごーいっ!!」
「美味しそぉぉー!!これおっきいい!」
たちまちバタバタと起きてきたルナマナは目を輝かせて料理の数々を凝視している。
「ふふっ。やっぱ2人のためなら作りがいがあるなぁ。お肉切り分ける前に写真撮っとかなくちゃ〜」
ランは持ってきたデジカメも携帯の写メも駆使してガンガン写メを撮りまくり、もちろん4人全員の写真も三ツ谷とのツーショットの写真も撮りまくった。