第26章 reindeer
そして部屋で、
エマが残しておいてくれた
自分たちの分のケーキを食べた。
「んー♡やっぱクリスマスさいっこう♡」
満面の笑みでケーキを頬張っている万次郎の頬についたクリームをランはティッシュで拭う。
「明日は私が作るよ〜!
売ってるものより美味しくはなんないかもだけど」
「いぇーい♡去年のは美味かったよ?
確か…ブッシュなんとか」
「ブッシュドノエルね。
でも今回は白い普通のケーキにするんだ〜
イチゴも買ってあるし!」
「三ツ谷んちで過ごすんだろ?明日は。」
「うん、夜ね。それまでに万次郎とエマとお爺ちゃんの分のケーキも作って、他にもいろいろ料理作って…けっこー忙しいなぁ」
パクパクとケーキを頬張りながら、
明日の慌ただしそうな自分の行動をシュミレーションする。
なにかを忘れてしまいそうで不安だ。
ちゃんと、時間配分や作るものなどをあとでメモっておこうと思った。
プレゼントも忘れないようにしなきゃ。
「万次郎は明日は何するの?」
「ケンチンと遊ぶ〜」
「そーなんだ。明日も雪降るかなぁ…
多分積もってるし、バイク気をつけなよ」
「そっちもな!」
ストーブの前で2人で温まりながら食べるケーキはこの上なく美味しく感じた。
他愛もないどうでもいい話をしていたら、いつの間にかそのまま2人とも眠ってしまった。
まだ楽しくお喋りをしている
そんな夢を2人は見ていた。