第25章 rat
「今って一応入院中なんだぞ、わかってんのか?
まぁこいつら連れてきちまった俺も悪いけど…」
「大丈夫大丈夫〜!なんだか私も妹になった気分だなぁ〜あははは〜」
「あはははって…
つぅか、退院しても安静にしろって言われてんだから、マジで気をつけろよ?」
「わかってるわかってる〜。
でも退院しても、しばらく喧嘩も運動もできないなんて体がなまるなぁ…それでなくても最近なまってきた気がするのに…」
「間違っても喧嘩なんてすんじゃねぇぞ?!あと、ぶちギレたりすんのも脳に危険が及ぶからとにかく何もせず引きこもりやってろよ」
「引きこもりなんてヤダ〜!!」
「やだー!」
「やだぁー!」
なぜか3人に睨まれてしまい、
三ツ谷はうんざりした表情でため息を吐く。
「……俺には3人も妹がいたっけ?
…とりあえず、なんか飲みもん買ってくるわ」
勘弁して欲しいぜ全く…
などとグチグチ言いながらも、どこか嬉しそうな悩ましげな笑みを浮かべて病室を出ていった。
「お絵描きぃ〜♪
今日は何書いてくれるのランちゃん!」
期待大のキラキラした瞳を向けてくる2人に、ランはなんだかとても心が暖かくなって笑ってしまった。
「うーんそうだなぁ〜。
また隆にピカソとか言われるだろーけど。
別に関係ないよねぇ♪」
絵が下手なことは自負しているが、
この子達もいつも喜んで?面白がって?くれていることだし!と前向きに考えながら色鉛筆を握る。