第25章 rat
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ランの手術は無事に終わった。
3日間の入院中は、
ゆっくりランを休ませたいとの計らい…そして皆がわんさか押しかけてくるであろうという想定から、
東マン内では、許された者以外はお見舞い禁止令が出された。
ということで、ここ2日間はとっても静かに過ごせている。
しかし…
こうも静かだと逆にランは少々寂しく感じてしまっていた。
万次郎やドラケンといった幹部メンバーや、三ツ谷はもちろん毎日顔を出してはくれるが、寝てろと言って皆すぐに出ていってしまう。
そんな折り、なんと今日は、三ツ谷が妹ルナマナを連れてきてくれた。
「悪ぃな。
こいつら来たいっつって聞かなかったんだ…」
「えーっ!めちゃくちゃ嬉しいよぉ!!
わざわざありがとうね!ルナちゃんマナちゃん♡」
「お絵描きしよーっ!」
「この本読んでーっ!」
「こらお前ら!そんなことしに来たわけじゃねぇだろ?!もう約束破る気か?!」
ここに来る目的はあくまで顔を見て少しお喋りするだけの、いわゆるお見舞いだから、絶対にいつもみたいに騒ぐなという約束を交わして連れてきたにも関わらず、それをすっかり無視している2人に三ツ谷は険しい顔をする。
「いーよいーよ♪一緒に遊ぼうね!」
「おいっラン!ダメだよ寝てなきゃ」
「ちょっと大袈裟だよ隆?私もうすっかり元気だよ?」
呑気にそう言って伸びをするランに思わずため息が出る。