第25章 rat
「タケミチは…そうだなぁ。
グリーンって感じかなぁ。」
「そうなんすか!楽しみだなぁ〜
よかったな千冬!でも誕生日なら教えろよな!」
「あ、あぁ…」
そういえば…
場地さんのストラップは紺色で、
イニシャルと猫の足跡みたいなマークまでビーズで刺繍されてたな…
ランさんの中の場地さんて…
そんなイメージだったのかな。
そんなふうに思いながら、
感極まってしまった。
「明後日の手術、頑張ってくださいね!」
2人でそう言い残し、ランの家を出てから
タケミチがファミレスで好きな物を奢ってくれた。
「あんな人が死んだら…絶対にダメだよな」
「あぁ。俺が死んでもランさん守んねぇと。場地さんに殺されるよ、マジで。」
「でも…25日…一体何が起こるんだろうな」
「俺らは八戒が大寿を殺すのを止める。それだけ考えてりゃきっと大丈夫だ。ランさんはあの礼拝堂のことだって今回の話だって知らないわけだし、きっと全てが問題なく終わって、次お前がタイムリープした時には未来はぜってぇ変わってるはずだ。」
いつも励ましの言葉をかけてくれる千冬にタケミチは心の底から感謝した。
千冬がいてくれて本当によかった。
「よし。ぜってぇ成功させんぞ」
「おう。」
2人は覚悟を決めたように真剣に頷きあった。
どうか無事にその日が終わることを願って。