第25章 rat
「なるほど」
「そんだけか?」
「ああ、十分だ。」
「たとえ1人でもボスは強ぇぞ。
テメェら4人で勝てんのか?」
九井はククっと笑いながらドアノブに手をかけた。
「クリスマスが楽しみだな☆」
「なんで大寿くんを裏切るんすか?」
タケミチはふと感じた疑問を呟いた。
九井は顔だけ僅かに振り向いて口角を上げた。
「俺は強ぇ奴が好きなだけだ。
もっと知りたきゃ、あと10万用意しな。」
九井が出ていってから、また4人の間に異様な空気が流れる。
「…タケミっち。俺は大寿を襲うためだけに1人になる時を知りたかったわけじゃねえ。」
「え?」
「八戒が大寿を殺すって言ったな?
殺すならいつだ?」
「えっ…と……あ!大寿くんが1人になる時!クリスマスの夜だ!」
「…これで八戒を止められるな?」
「…稀咲…そのために動いたのか?」
「?…仲間を助けるために動いて何が悪い?」
「!」
でもこいつ…
何を企んでやがる…?!
「ここにいる4人で八戒を止めて、大寿を潰す。
クリスマスの夜の隠密決戦だ。」
稀咲はそう言い放ったが、
突然目を伏せた。