第6章 recall
「手順はこうだ。まず裏口を割って中に侵入。警備会社の警備員が駆けつけるまで約10分。
その間にバブのチェーンロックぶった斬る。鍵は差しっぱだったの確認してる。
表のシャッター開けて外に出して、そのまま乗って逃げる。楽勝だろ?」
「ばか!そーゆー問題じゃねぇよ!盗みはやべえって言ってんだよ!」
そう言いながらもついてくる場地に、一虎は笑った。
「なんだかんだ言ってさ、いつも付き合ってくれるよな」
「・・・」
「よーし!行くぞ」
ガシャン!!!
窓ガラスが割れたが、
辺りはシーンとしている。
「あれ…?警報鳴んねぇな。
まーいっか。ラッキー。行くぞ」
「本当に行くのか一虎っ!」
「静かにしろよっ。もう店の中だぞ?」
「っ…本当にいいのか?この先はもう引き返せねぇぞ?」
「うっせぇなぁ…こっちか?ん?
見ろよ場地っ。コレだ!バブだ!」
その部屋にはズラっとバイクが並べられており、外から見えたバブもあった。
「バブだ!」
「…かっけぇ……」
「よく見るとこれ新品じゃねぇな。」
「あぁ、メンテ中のバブだ。
…すげぇカスタム…ホイール太っ」
場地はCB250を前に、つい目を輝かせてしまった。