第25章 rat
その破片を真っ直ぐ稀咲に向けて
鋭く睨む。
「マイキーじゃねぇだろ。マイキー君な?!
それから、三ツ谷君、場地君、ランさんな?!
いくら隊長でもテメェは俺らとタメなんだ。
調子こいてんじゃねぇぞ?!」
「ち…ふゆ…」
タケミチは見たことも無いほど殺気立っている千冬に息を飲んだ。
そのとき、スっと自分の喉に
ステーキナイフが当てられた。
「おいおい、内輪揉めはご法度だろ?」
僅かに顔を向けると、半間だった。
「テメェらが破んなら俺も暴れちゃうぞコラ♡」
「…チッ」
千冬は舌打ちをして手を下ろした。
「俺らがテメェらと組むメリットは?」
「黒龍の中に内通者がいる。
時間を無駄にすんのは嫌いだ。ついてこい。」
そうしてついていった先には、
本当に黒龍の内通者的な立ち位置の男がいた。
「絶対バレないようにしてくれよな。
バレたら俺の命ねぇからさ…」
「大丈夫だ。ここにいるメンバーは絶対に口外しねぇ。それより分かったのか?」
そう言って稀咲はその男に金を渡した。
「…ああ。総長の動きだろ?」
「ああ。黒龍を潰すならまずは大寿を知りてぇ。一日の流れだ。何時にどこで何してるか。それでだいたいどんな奴かわかる。相手を知れば攻略も楽になるだろ?」
なるほど…
とタケミチはつい関心してしまった。
「…俺は総長の付き人だったから大抵のことはわかる…まず総長は…」
その瞬間、ガチャと扉が開いた。