第25章 rat
タケミチと千冬は、
ファミレスの中で唸っていた。
先程までいた東マン幹部(ドラケン、スマイリー、武藤、稀咲、半間)はもう帰ってしまった。
八戒に大寿を殺させないために黒龍と闘いたいと申し出たのだが、
和平交渉を成立させた三ツ谷の顔に泥を塗る行為だということで却下されてしまった。
「三ツ谷くんの顔に泥を塗る…
確かになぁ…うまくいかねぇもんだなタケミっち」
「千冬…こうなったら俺ら二人でやるしかねぇよな…」
「俺も混ぜろ。」
「?!…稀咲?!」
突然現れたのは稀咲だった。
「俺と組まねぇか?俺も八戒を止めたい」
「見え透いたこと言ってんじゃねぇぞコラ!
俺らがテメェと組むわけねぇだろうが!!」
千冬が稀咲に近づき目と鼻の先で睨んだ。
「…じゃあどうすんだ?
三ツ谷が黒龍と交わした和平協定がある限り他の東マン幹部は絶対黒龍相手に争わない。かといって、お前ら二人で黒龍潰せるほど黒龍は甘くねぇ。」
ピシャリと言い放つ稀咲の目は真剣そのものだ。
「……今、マイキーは弱ってる。
お前らも知っての通り、立て続けにいろいろ起こってるからな。場地も死んで月乃ランのことも…。
最近力をつけてきてる黒龍をここで潰しておきたい。」
その瞬間、バリン!!
と千冬がコップをテーブルの縁で割った。
周りの客が騒然となる。