第24章 revere*
三ツ谷が万次郎に挨拶してから帰っていき、ランは風呂から上がってベッドの上にころがった。
ボーッと頭に入らない勉強ノートを眺めていると、万次郎が入ってきた。
「はぁ…なあに万次郎。」
やっぱ常に鍵をかけとくべきかな…
そんなことを考えながらノートをパタリと横に置くと、突然万次郎が覆いかぶさってきた。
「顔、赤いぞ?へーきかー?」
「そっ、それは…お風呂上がりだから!」
三ツ谷との情事を察っせられたくはない。
「てゆーか何!どいてよ、」
「こーれっ♡ ランにやろうと思って忘れてた。」
そう言って見せつけてきたのは……
どら焼きだった。
「え?」
「やー、これさー、今日タケミっちに貰ったんだけど、いらねって投げちゃったんだよね〜。一旦落ちたもんだからなんか食うのやだなーって。でも別に袋に入ってるから問題ねーしランなら余裕だよね?賞味期限見たら5日後だし、それに…ん??どうした??」
ランは驚いたように目を見開いてどら焼きを凝視している。
「?…え、なに?怒った?
でも袋に入ってるから食えるってば!ははは」
「いや…そうじゃなくて…」
ランはゆっくり起き上がり、
それにつられて覆いかぶさっていた万次郎も疑問符を浮かべたまま起き上がった。