第24章 revere*
ランは佐野のおじいちゃんには、絶対に自分の祖父にはこのことを知らせないようにと伝えた。
心配をかけたくないし、今度こそ東北に連れ戻されてしまうかもしれない。
夕食を摂り終え、ランの部屋に、万次郎と三ツ谷とエマが集まる。
「私、やっぱりイブもクリスマスも皆と過ごしたいし、それまでには手術も入院も終わらせたいんだ。だから明日もう一度病院行って、決めてくる。」
「そっか。わかった…。
じゃあエマ、行くぞ。」
「うん。明日は必ずウチもついてくからね!」
「あ、ありがとう。」
万次郎もエマも、2人に気を遣って部屋を出ていった。
2人きりになった途端、三ツ谷はランをベッドに座らせ、自身も隣に腰かける。
「最近、体調どうだ?本当に大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ!ちょっとたまに頭痛するくらいで他はなんとも…」
「本当に?」
真剣な表情で真っ直ぐ見つめてくる三ツ谷にドキリと鼓動が跳ねる。
「たまに…ボーッとしちゃうこともあるんだよね…なんだか最近全然勉強もはかどらないし…」
「……。こないださ… ラン、
俺の電話、折り返すっていって折り返してこなかったろ?」
「えっ?!そんなことあった?!」
「…あったよ。2回もあった。やっぱりそれも、今回の後遺症なんじゃねぇかな…」
その言葉に顔を歪めた。
薄々気がついてはいた。
自分の頭が酷くボーッとしていて、上手く働いていないような…そんな気がしていた。