第24章 revere*
「あの人は言ったよ…
"暴力は守るために使え"ってね。
あの時俺は、誓ったんだ。
俺が家族を守るって。」
"じゃあてめぇはアレだな。
これからは2人分殴られるわけだ"
そう言って目一杯暴力を奮ってくる大寿が
脳裏に浮かぶ。
「それから俺はずっと姉の分も殴られ続けた。
柚葉をずっと守ってきた…
でもあいつは約束を破った。
変わらず柚葉のことも殴ったんだ」
「汚ねぇ!」
「めちゃくちゃな奴だな!」
「分かるだろ?
あいつはタカちゃんと交わした約束なんて、屁とも思ってねぇんだ。
柚葉を解放なんて、あいつは絶対しない!」
「じゃあどうすれば…柚葉ちゃんは…」
「恥ずかしい話だけどよ、
未だに大寿の前に立つと震えちまってさ、俺なんにも出来ねぇんだ」
「八戒…」
「大寿さえいなければ…だから俺は決めたんだ。
俺はそのために東マンを辞めた。
東マンの看板に泥を塗りたくなかったから。
俺はこれから家族を"守る"ために暴力を振るう。」
そう力強く言い放つと、八戒は立ち上がった。
「俺は大寿を殺す」
八戒の眼光はあまりにも本気だった。
「え?!」
「捕まる覚悟もしている。
だからもう俺に関わるな」
短い間だったけど、楽しかったぜ。
そう言い残して八戒は去っていった。
「千冬……俺、なんかすげぇムカつく。
兄弟をさ…殺すって思わすまで追い詰めてんだぜ?」
やっぱ八戒は大寿を殺そうとしてる!
このままじゃあの未来にも繋がる!
ただ…それ以前に……
「柴大寿は許せねぇ!!
だから…黒龍を潰す!!!」