第24章 revere*
「え?!」
CTや、様々な精密検査を行った結果、軽度の硬膜下血腫だという事実が判明した。
それは、簡単にいえば、軽微な頭部打撲をきっかけにして、脳の表面に微量の出血あるいは脳脊髄液がたまって、その反応でつくられる膜から少しずつ出血が繰り返され、血腫が大きくなるもの。
頭部外傷の直後は無症状か頭痛程度の症状しかないことがほとんどだが、
このあと通常は3週間から1ヶ月かけて血腫がつくられて、頭蓋骨の内側の圧が高まり、頭痛や吐き気・嘔吐が現れるらしい。
また、血腫による脳の圧迫症状として半身の麻痺、言語障害などが初発症状のこともある。
軽度の意識障害や、血腫が増大していけば意識障害が進行して昏睡状態になり、さらに血腫による圧迫が脳ヘルニアの状態にまで進行すると、生命の危険があるらしい。
「血腫が少量で症状も軽微な場合は、自然吸収を期待して経過観察とすることもありますが、通常は局所麻酔下の手術を薦めております。
まだお若いので、症状のせいで学業や日常生活に支障が出るのは辛いでしょう。手術すれば再発の可能性も低いですからね。」
医者は、早いうちに決めるようにと、そう言った。
「うそ…手術って…
そこまでのことになってたなんて…」
確かに、頭痛も目眩も治らなければ
たまに頭がボーッとして、何も考えられなくなる時もあったにはあった。
しかし、手術するほどのことになっているとは思いもよらなかったので唖然とした。