第5章 refine
疲れを知らない5人が汗と海水とも分からないビショビショ状態でいると、
「おーい!」
マイキーの声が聞こえた。
そして、隣に立っている傷だらけの場地に目を見張り、急いで駆けつける。
「どーしたの!圭介!」
ランはバッグから消毒液とテープをとり、場地を治療していく。
「いっ…」
「ごめん染みるよね…」
「大丈夫だ。たいしたことねぇ。
ありがとなラン。」
その後の話に一同唖然とした。
「マイキーのホーク丸、もうねぇのかよ!」
「悪ぃ。俺のせいだ」
「「お前のせいじゃねぇよ!」」
全員の声が重なった。
「そう、場地のせいじゃねえ。それに、ホーク丸のことはいいんだもう。場地が無事だったわけだし」
万次郎のその言葉に皆押し黙った。
「そうだよね。圭介が無事で本当によかったよ!それにそいつら全員叩きのめして来れたんでしょ?」
「おう!あったりめーよ!」
「あー俺もボコりたかったァー」
血の気の多い一虎は険しい顔をした。
その後、海水浴をする万次郎たちを放っといて、ランはずっと場地の隣にいた。
「俺に気ぃ使わず、お前も泳いできていいんだぜー?」
「さっき散々泳いだもん。それに、そんなことよりあんたのほうが大事だよ」
場地は一瞬目を見開いてから切なげに笑った。