第23章 rebel
「さて…言い残したことはあるか?」
「異常者め……」
千冬は、叫び悶えているタケミチの方を向くことなく口を開いた。
「聞け…タケミっち。最期の言葉だ…」
タケミチはハァハァと息を吐きながら
口を噤み、耳を傾けた。
「この12年…色々あった。
マイキーくんは姿を消して、ドラケンくんは死刑。
いつの間にか汚ぇことにも手を染めた。
俺らは間違いもいっぱい起こした。
でも根っこは変わんねぇはずだ!」
タケミチはゆっくりと横を向く。
千冬は涙を流しながら既にこちらを見ていた。
「…場地さんの想いを…東マンを…
頼むぞ。相棒。」
パンっ!!!!
撃ち抜かれて倒れていくその瞬間が
スローモーションのように見えた。
「千冬ぅぅぅぅ!!!!!」
うそだ!これは悪い夢だ!!
こんな簡単に千冬が死ぬはずねぇ!!
「東マンのことを頼まれて気分はどうだ?
安心しろ。お前も直ぐに逝かせてやる。」
稀咲を睨みあげると、
なんと稀咲は涙を流してピストルをタケミチの頭に突きつけていた。
「残念だ……
じゃあな…俺のヒーロー」
殺される!!終わった…
そう思った瞬間、突然部屋の電気が消え、
何者かに助けられ意識を失った。
気が付くと…
どこか別の場所にいた。