第22章 rapidly
春千夜「えぇ…マジですか」
次は春千夜がドラケンから引く番になり、
なんとも言えない空気が流れる。
万次郎のいびきだけが部屋に響いていた。
春千夜「…っあ。よかった。」
その反応は、ババを引かなかったということだろうか?
ムーチョがあからさまに苦い顔をした。
ムーチョ「バカか、てめぇは。馬鹿正直な反応すんじゃねえよ」
春千夜「すみませんつい…。はいどうぞ。」
今度はムーチョが春千夜から1枚引いた。
すると明らかに一瞬目を見開いてカードを見つめたのがわかった。
そしてニコニコ顔の春千夜をギロリと睨む。
すなわちそれは、実は春千夜がババを持っていて、ムーチョがそれを引いたということだ。
三ツ谷「くそ面白くなってきたじゃねぇか」
ドラケン「ああ。皆なんだかんだ分かりやすすぎだな」
ランもついクスクス笑ってしまった。
ぺーやん「うぅ…なんなんだよ皆。余計にキンチョーしちまうじゃねえかよ」
八戒「ごちゃごちゃうっせーのぅ。とっとと引いてくれよ」
ぺーやん「てめぇ!いい気になってんじゃねぇぞ柴ぁ!」
「もう喧嘩?勘弁してよ。早く引いて」
そんなこんなでグルグルと繰り返していく。
スマイリー「・・・」
三ツ谷「…お前の顔が1番わかりづれぇわ」
スマイリー「はよしろや。三ツ谷。」
確かにいつもニコニコ顔で表情の変わらないスマイリーが1番分かりづらいかもしれない。
眉間に皺を寄せながら三ツ谷が引いた。