第22章 rapidly
ムーチョ「食いながら喋んな、黙って食え。」
春千夜「ははは…」
武藤康宏…伍番隊隊長であり、通称ムーチョ。
そして彼をどこまでも慕っている副隊長の三途春千夜。
ムーチョは風紀委員と呼ばれる唯一内輪揉めを許されている特務部隊。
隊長の中で一番喧嘩が強いと言われているため、総長の合意無しで東マンの裏切り者を罰することができる特務を与えられている。
もちろんこの2人のことも仲間として好きなのだが、そのポジションのせいか、東マンの中で少々違った空気を醸し出している感じがしてランはたまに不気味に思うことがある。
「春千夜〜またずいぶん髪伸びたねぇ〜
すごい綺麗で羨ましいなぁ…」
春千夜「そうですか?やはりそろそろ切った方がいいですかね」
「ううん!似合ってるからいいと思う!」
春千夜はパッと見、とても綺麗な女性に見える。
髪もまつ毛も長いため、いつも羨ましく思っている。
「ねぇ春千夜の髪、三つ編みにしてもいいー?」
春千夜「えー、あ、はい。いいですけど。」
「あーでも巻き髪もいいかも〜」
ムーチョ「おい、ウチの春千夜を変な風にいじんな」
「なにそれ?まさかヤキモチ〜?康宏くん1番歳上なのに小さい男だなぁ」
その言葉に、ムーチョはピキンと青筋を立て、怒りを通り越して白目を剥いてしまった。
ランは苦笑いしている春千夜の髪をさぞ楽しそうにいじっている。
「あぁ、いいなぁ。私も白っぽく染めようかな?」
春千夜「いや…それなら三ツ谷くんと同じにしては?俺とお揃いではなく…」
(こんなことでヤキモチ妬かれたくないんですけど)
「あっ!そーだね!じゃー私も銀髪にする!」
三ツ谷「いやいやランはそんままでいーから。」
「なんで?お揃い嫌?」
三ツ谷「…そーじゃねーけど……」
春千夜「きっとバージンヘアのままでいてほしいんですよ」
「なあにそれ?」
春千夜・三ツ谷「「・・・」」