第22章 rapidly
スマイリー「はあ?」
アングリー「じゃあ取っておきの話をしてあげようか」
「うんうん!してして!!」
ランはたちまち目を輝かせる。
アングリー「俺ら、待ち合わせた場所に 全く同じ服を着て登場した事数知れず。しかも家に帰って着替えてリビングに降りたらまた同じ服。」
スマイリー「そうそう。だからもう諦めてる。その日の気分が一緒なんだよな。」
「なるほど…いつもあえてお揃いにしてるわけじゃないんだ」
アングリー「あとは二人とも別の旅行会社でそれぞれの友達とツアーを申し込んだら、場所・日程・工程全く同じ。しかも買ってきたお土産5種類も全く同じ。」
「えええー!!すっごーい!!さすが双子!」
スマイリー「最悪なのは、どっちかが怪我すると、怪我してねぇ方のその箇所も痛くなることがある。アングリーが右足切っちまったときは、俺の右足も蚯蚓脹れができた!」
「ええ?!やば…なにそれ…」
アングリー「急に無性に食べたくなるもんも一緒だったりするよ。観たい映画も読みたい漫画もいつも一緒。」
「いいなぁ…楽しそうだなあ。」
スマイリー「そうでもねぇよ?うんざりすること多いしな」
「でもすごく羨ましいよ。
私は一人っ子だったし…。」
(まぁここに来てからは万次郎たちが兄弟みたいなもんだったけど、生まれた時からずっと一緒ってのはやっぱ羨ましい…)
寂しそうに言うランに、
2人は真逆の顔で同時に肩に手を置いてきた。
「「じゃー俺らが兄弟になってやる!」」
2人の声が重なった。
こんなところもさすが双子だと思った。
「うん!ありがとう〜!ホント大好き!」
アングリー「しぃ〜!三ツ谷に聞こえるよ」
スマイリー「ほんとデリカシーがねぇな赤ずきん」