第22章 rapidly
「花垣武道!!
顔上げて皆に挨拶しろ!!」
万次郎の言葉に、タケミチは顔を上げた。
"君なら姉さんを救える"
"みんなを助けてくれ、泣き虫のヒーロー"
"お前に託す…"
"俺が東マンのトップになる!"
数々の言葉が蘇り、タケミチは歯を食いしばりながら涙を零した。
俺はほんっとに泣き虫だ!
でも!!!
まだ東マンを変えれる!!!
「よろしくお願いします!!!」
天に向かって大声でそう言い放つ。
ドラケン「おいおい何泣いてんだよ、締まんねーな」
三ツ谷「あーあ。また刺繍入れ直しだよ」
マイキー「…顔上げすぎだ、バカ。」
皆が呆れたように笑う中、
ランはタケミチを呼び止め、隅の方に引っぱった。
「っあ!ランさん…や、ヤバいっすよ」
「うん、わかってる…ごめん…
でも、未来の話なんて万次郎にできるわけないし、こういうふうに円満に組織が大きくなるのは避けられないんだよ…」
「そ、そうすけど…でも稀咲は…」
「ねぇ、私ね、思ったんだけど……」
ランは真剣な面持ちで続ける。
「とりあえず現時点でこっちの世界ではこうなってる。
表面上はそんなに問題は無いように見える。
万次郎も一虎を殺さなかったわけだし…
だから、もしかしたら未来はいい方向に変わってるかもよ?」
その言葉に、タケミチの鼓動が跳ねる。
なるほど…
その可能性はある…