第22章 rapidly
「話がもうひとつある!!」
そう切り出したのは万次郎だった。
「血のハロウィンで得たものもあれば、
失ったものもある。
壱番隊隊長 場地圭介が死んだ…。」
その言葉に、全員神妙な面持ちで静まり返る。
「俺らはこの事実を深く反省し
重く受け止めなきゃいけない…。
……あとはお前から言ってくれ、
壱番隊副隊長 松野千冬。」
千冬が真剣な表情をして
1歩前に出た。
「東マンを辞めようと思ってた俺を、総長はこういって引き止めた。
壱番隊の灯火をお前が消すのか?
……でも壱番隊を引っ張ってくのは
俺にはやっぱり荷が重い。」
俯き気味で言葉を紡ぐ千冬に
タケミチはゴクリと生唾を飲み込む。
「総長とランさんと、話し合った。
何日も何日も…
そして、こういう形に辿り着いた。」
千冬がグッと拳を握って顔を上げた。
「自分がついて行きたい奴ぁ
自分が指名する!!」
大声でそう言い放ったあと、
タケミチを真剣に見下ろした。
「花垣武道!!!
俺はお前を壱番隊隊長に命じる!!!」
周りが驚いた表情を浮べる中、タケミチは
「え…」と固まる。
「タケミっち!これが場地さんの意思だと俺は思ってる!
場地さんがお前に託し、俺と総長が決めたことだ!!」
「!」