第5章 refine
戻ってきたランは、水着姿になってからパラソルの下でボーッと海を見つめていた。
「あいつらまだやってるぜ?こーんなにビキニのギャルがいっぱいいんのに馬鹿だよなぁ」
隣に寝そべっている一虎が言った。
沖まで行って戻ってくるという競争をしているドラケンや三ツ谷、パーちんたちのことを言っているようだ。
「一虎、あんたは泳がなくていーの?」
「お前のビキニ姿眺めてた方がマシ〜。つかなんで下は短パンなんだよ」
「エロオヤジかよ…いーでしょ別に。それに、マシってなんなの。失礼だなー」
あんな小っ恥ずかしい格好できない…
そもそも上だけでもちょっと恥ずかしいのに…
「まーた冗談通じないラン様出たよ〜
ランは水着じゃなくてもイケてるよ。
きっとこれから、もっともっとイイオンナになる。」
突然真面目っぽい声色で言うので眉間に皺を寄せる。
「…は?なに、それ。」
「冗談抜きで、お前はイイ女だよ。
俺と付き合わない?」
「つまんない冗談。
一虎はさ、イケメンなんだから彼女の1人や2人作ろうと思えばすぐ作れるでしょ」
「冗談じゃないって言ったばっかなのに〜」
嘘とも本気とも分からないようなことばかり言うのが羽宮一虎という男だ。
一虎の首の虎のタトゥーは、整った顔に似合わずとてもイカつい。
でも、正直に言えば、カッコイイとは思う。