第5章 refine
「てめぇら…なに俺の"大事なもん"傷つけてんだ?!」
万次郎が男たちを威圧するが、男たちは当然疑問符を浮かべている。
「その原チャは今オマエがっ」
ドガっ!!
ズザザザザザー…!!
問答無用で万次郎に蹴り飛ばされてしまい、数メートル先にすっ飛んで行ってしまった。
「場地、怪我へーきか?
あんなモンのために身体張らしてごめんな」
あんなに大切にしていたホーク丸を自ら蹴り飛ばし、"あんなモン"と言い放った。
そして、"大事なもん" は場地のことだと比喩した。
「マイキー…」
万次郎はニコッと笑った。
「立てるだろ?場地。
こいつら全員みなごろしだ!!」
「…おうっ!!」
場地には、万次郎のその小柄で小さな背中が何よりも大きく無敵にかっこいいものに見えた。