第21章 rise*
「おし、できた。
ほらよ、これでいいだろ?」
ものの3分もしないうちに三ツ谷が広げてきた特攻服を見ると、内側に綺麗に御守りが縫い付けてあった。
「わぁ…すごい!ありがとうございます!」
「どーいたしまして。
じゃーとっとと帰ってくれるー?」
「あっ、はははい!!」
「次ノック無しで来たら…殺すかんな」
「っ!!はっはい!!」
急いで頭を下げてバタバタと出ていくタケミチを、焦ったように追いかけていくペーやん。
「じゃ、じゃあな2人とも!明日な!」
そう言ってペーやんがピシッと扉を閉めた。
そこに、つかつかと三ツ谷が歩いていき、ガチャと鍵をかける。
クルリと振り向いた三ツ谷はハァーとため息を吐きながらランの腕を引き、グッと腕の中に閉じ込めた。
「邪魔者は出てったぞ。
さっきの続き、する?」
「……あ…」
「どーする?ラン…」
耳元で甘く囁かれれば、無意識に頷いてしまう。
フッと笑った三ツ谷の体が離れたかと思えば、まとめて置いてある裁縫の材料が並べてある棚から分厚い布を引っ張り出して床に敷き、クロゼットの中からは無数のクッション類を取り出し始めた。