第21章 rise*
ランは当然、驚愕しすぎて、三ツ谷に手首を押さえつけられたままの体勢で固まってしまった。
「チッ…鍵かけときゃよかったな」
舌打ちしながら三ツ谷が起き上がったのでランも急いで起き上がり、そのまま机に腰掛ける。
ガララッー!
三ツ谷が思い切り扉を開けると、
焦った表情のタケミチとぺーやんがいた。
「……なんだ。なんか用か?」
何事も無かったかのような顔をして目を細める三ツ谷にタケミチは狼狽する。
「あぁっと!えっとえっと!そのっ…
こここれをっ… ランさんに渡しそびれてて…」
そう言って震える手で差し出してきた御守りを、三ツ谷が受け取る。
「あぁ…場地のか…。
だってよ、ラン。」
「…あー!…ありがとう。」
受け取った三ツ谷がランに渡す。
「これで思い出したんだけど、実はタケミチにも
渡そうと思ってたものがあるんだった!」
にっこり笑って言うランが、タケミチの前に行き、それを渡した。
「っえ?…これは?!御守りですか?」
「うん!こっちは圭介のだけど、これはタケミチのもの。実はねー、ここの手芸部で作ったんだ〜!中にはちゃんと小さい御札が入ってるよ。あの神社の。タケミチにはいっぱいお世話になってるからね。」
実は、未来のことも、頑張ってという意思も込めた。