第21章 rise*
「明日の集会が楽しみだな!」
「はい!」
ペーやんの言葉に、タケミチは頷く。
学校のチャイムが鳴り、そろそろ部活動終了のようだ。
周りの部員たちがバタバタと片付けを始め、部長である三ツ谷に各々挨拶をしたあと、部室を出ていった。
「そろそろ俺らも帰るぞ」
「はい!三ツ谷くん本当にありがとうございました!」
「おう。明日集会でな。」
三ツ谷とランを残してタケミチはペーやんと共に部室を出て行った。
「さて…やっと2人きり…
どーしたい?」
そう言って近付いてきた三ツ谷に、ランは思い切り抱きつく。
「隆ぃ…」
「ん?」
「・・・」
「……なんだよ。
言わなきゃわかんねーぞ?」
意地悪げな口調で囁く三ツ谷の首筋に顔を埋めながらランは大好きなその匂いを思い切り吸い込んだ。
「んはーあ……落ち着く…」
「んだよ…匂い嗅ぎてぇだけかよ。
犬か、お前は。」
「…違うよ?ホントはもっと…」
いろいろしたい…
という言葉を飲み込む。
「もっと、なに?」
「んん…分かってるくせに…」
……いつもは優しいくせに
こういうときばっか意地悪…。
三ツ谷はクスクスと笑った後、
「じゃあ顔上げて?」
そう一言、静かに耳元で囁いた。