第21章 rise*
「初期メンバー以来だよなぁ?三ツ谷」
「俺らにとっての1番の晴れ着はトップクだろ。
俺なりの感謝の気持ちだよ、タケミっち。」
三ツ谷はそう言いながら、カタカタとミシンを使っている。
「8.3抗争ではドラケンもランも救ってくれて、血のハロウィンでは皆の目を覚ましてくれた。
だからお前のトップクはぜってー俺が仕立てたかったんだ。」
その言葉に、タケミチは胸いっぱいになってほんのり顔が熱くなる。
「ありがとうございます…!」
「ばーか。俺が勝手にやってることだ。
……よしできた!
着てみろよ、タケミっち。」
「はい!」
着てみるとピッタリなのだが、初めての特攻服にタケミチはどこか落ち着かずソワソワしてしまった。
「わぁ〜タケミチ!ははは!思ってたより似合ってんじゃん〜。これも隆の腕のおかげかな!」
「え!?ランさん?!なんでここに?!
確か三ツ谷くんとペーやんくんとは中学違うはずじゃ」
突然現れたランに狼狽する。
「私ねぇ〜部活だけここの中学なんだ〜!」
「おいおいお前を部員に入れた覚えはねぇぞ」
「な?!ひどい隆!!」
むくれるランに笑う三ツ谷を見ながら、タケミチはひとまずはハロウィン抗争でこの2人が離れ離れになることがなくて本当によかったと胸をなでおろした。