第21章 rise*
開けた瞬間、そこにはなんと、ペーやんとタケミチが立っていた。
「ちょっと林くん!!
また部長をたぶらかしに来たの?!
部長今忙しいから帰って!!」
「いやっ、俺は…っ」
「だいたい何その格好?!
そんな服着てるから先生に目つけられるんだよ?!」
確かに、ペーやんは制服の下になんともガラの悪い派手派手なシャツを着ている。
まぁ不良だし暴走族だから仕方ないのだが。
「どーしたー?」
「あ、部長!!また林くんが!」
「そう怒んなって、安田さん。
俺がペーやんにおつかい頼んだんだから」
「私、部長以外の不良嫌いです!!」
「え?!三ツ谷くん?!」
呆気にとられたような顔をしているタケミチが、三ツ谷の姿を見て目を見開く。
「おう、タケミっち。」
「部長って…三ツ谷くん?!」
「おう。入れよ。」
「え、はい…」
(手芸部の部長?!
暴走族やってんのに
学校生活も両立してる三ツ谷くんすげぇ…!!)
「ちょっと待ってろよタケミっち。
すぐできっから。」
そう言いながら、部長〜!と読んでいる生徒の方へまた行ってしまった。
「…すぐできるって…なんか作ってるんすかね…
そもそも俺ってなんで呼び出されたんだろ」
「特攻服だよ」
そう教えてくれたのはペーやん。
「喜べよ?
お前のトップク、三ツ谷直々に仕立ててくれてんだぞ。」
「……三ツ谷くんが…俺の…?」